こんにちわ、ノブおです。
味噌は日本料理に欠かせない重要な調味料の一つです。
そんな味噌ですが、意外と知らないこと、多くないですか?
では、味噌は日本独自のものなのでしょうか?
それとも外国から伝わったものなのでしょうか?
また、味噌にはどんな種類があるのでしょうか?
この記事では、味噌の歴史や種類について徹底調査してみました。
味噌の魅力や知られざる秘密を知って、もっと味噌を楽しみましょう!

味噌の歴史
いまや日本の食文化に欠かせない発酵食品ですが、その起源や歴史についてはあまり知られていません。
どのようにして誕生したのでしょうか?
そして、どのようにして日本に伝わったのでしょうか?
また、味噌はどのようにして日本人の食卓に定着したのでしょうか?
この章では、味噌の歴史について、その謎に迫ってみたいと思います。
味噌の起源
歴史をさかのぼると、その起源は中国の大豆塩蔵食品である「醤(しょう/ひしお)」にあると言われています。
醤とは、食物を塩に漬けて保存していたものが、発酵、熟成し、旨味を持つことで生まれたものである。
醤に関して記された文献は、紀元前11世紀頃の「周礼」という古書であることから、その歴史の古さがうかがえます。
また、中国だけでなく、遠くは古代ローマにも、魚を塩漬けにした汁を発酵させた「ガルム」と呼ばれる醤の一種があったとの説もあります。
醤ができる過程での熟成途中のものがきっかけで、味噌が生まれたと言われているのです。
味噌の日本での登場
日本ではじめて味噌という言葉が登場したのは平安時代です。
この頃味噌は調味料として料理に使うものではなく、そのまま食べていました。
また、地位の高い人の給料や贈り物として使われるなど、庶民の口には入らない貴重品でした。
当時、「大宝律令」という法令に「未醤」という文字が書かれておりました。
これは、「まだ豆の粒が残っている醤」という意味だったそうです。
そして、「みしょう」⇒「みしょ」⇒「みそ」と変化していったといわれています。
味噌の起源には、中国から伝来したとする説と、日本独自に発展したとする説があります。
いずれにせよ、日本では古くから大豆や穀物を塩漬けにして保存する技術があったことは確かです。
味噌の発展と定着
味噌は、日本の歴史とともに歩んできました。
そして、鎌倉時代には、中国からやってきた僧の影響で、すり鉢が使われるようになり、粒味噌をすりつぶしたところ水に溶けやすかったため、味噌汁として利用されるようになりました。
味噌汁の登場によって、「一汁一菜」という鎌倉武士の食事の基本が確立されたと言われています。
室町時代になると、農民たちが自家製の味噌を作るようになりました。
そして、味噌が保存食として庶民にも浸透しました。
今に伝わる味噌料理のほとんどがこの時代に作られたと言われています。
戦国時代には、主に糠が原料とされたが、干したり焼くなどして携帯しやすくしていました。
味噌づくりをすすめていた戦国武将も多く、味噌は戦陣食としても貴重な栄養源になっていました。
江戸時代には、江戸の人口増加に伴って味噌の需要が高まりました。
そして、三河や仙台からどんどん味噌が江戸に送られ味噌屋は大繁盛しました。
また、外食が発展し、味噌を使った料理も同時に発達していきました。
味噌汁が庶民の味となって飲まれ始め、味噌が生活になじんでいきました。
以上が、歴史についての概略です。
次章では、日本各地で作られるさまざまな種類の味噌について紹介します。

味噌の種類
前章では、歴史について紹介しました。
今回は、日本各地で作られるさまざまな種類の味噌について紹介します。
味噌は、大豆・麹・食塩というシンプルな原料から作られます。
そして、その配合や製法、環境や水質などによって、個性豊かな味噌がつくられています。
味噌には、原料や色や味や産地などさまざまな分類方法があります。
ここでは主に原料と味による分類について見ていきましょう。
原料による分類
味噌の原料は大豆・麹・食塩です。
このうち麹の原料から味噌は、米味噌・麦味噌・豆味噌の3種類と、これらを混合した調合味噌に分けることができます。
- 米味噌大豆に米麹を加えてつくったもの。
全国各地で生産されています。
米麹は白色で甘みが強く、白色や赤色の甘口から辛口まで幅広い種類があります。 - 麦味噌大豆に麦麹を加えてつくったもの。
九州・四国・中国地方が主な産地です。
麦麹は黒色で香ばしく、黒色や茶色の甘口から辛口までさまざまな種類があります。 - 豆味噌大豆のみを主原料としたもの。
中京地方(愛知・三重・岐阜)が主な産地です。
代表的なものに八丁味噌があります。
大豆100%で作るため発酵力が強く、濃厚でコクのある辛口です。 - 調合味噌米麹と麦麹を混ぜたものや、米麹と豆麹を混ぜたものなど、複数の原料を組み合わせたもの。
それぞれの特徴を生かしてバランスよく仕上げられています。

味による分類
味噌の味は、辛口味噌・甘口味噌・甘味噌に分類されます。
まず、注目すべきは、味噌の塩分量です。
寒い地方ではやや塩分の高い辛口が多くつくられ、暖かい地方では甘口の傾向が強いです。
また、基本的には、塩分が低いものは短期熟成、塩分が高いものは長期熟成となります。
- 辛口味噌塩分12%前後の一般的によく使われているオーソドックスな味噌です。そして、汎用性の高さはピカイチ。
味わいはさまざまですが、旨味が強く、すっきりとしたものが多いです。 - 甘口味噌塩分10%前後の辛口味噌より少し塩分控えめなマイルドなテイストです。
そして、しょっぱさの中に米麹由来のやさしい甘味が感じられます。
お子さんにもぴったりの味わいです。 - 甘味噌塩分6%前後の辛口味噌に比べ、塩分は半分程度の超甘口です。
関西白味噌や江戸甘味噌などが代表的。
味噌汁用ではなく味噌漬けやぬた、スイーツなど調味料として使われるのが一般的です。
酵母や乳酸菌などの微生物の働きを利用せず、麹の「酵素」の働きで熟成させます。
以上が、味噌の主な種類についての概略です。
次章では、日本各地で作られる郷土の特色ある味噌について紹介します。
日本各地で作られる郷土味噌
前章では、味噌の種類について紹介しました。
今回は、日本各地で作られる郷土の特色ある味噌について紹介します。
その地域の気候や風土、食材や料理などに合わせて、工夫が加えられてきました。
その結果、全国には白色や赤色、甘口や辛口など、個性豊かな味噌が生まれました。
ここでは、全国各地の代表的な17種類の郷土味噌を紹介します。
それぞれの色や味や香り、原料や製法、産地や歴史などについて見ていきましょう。
北海道・東北
1. 北海道みそ
北海道みそは、赤色系の中辛口の米味噌です。
佐渡や新潟との交流が古くから盛んだったためか、佐渡みそや越後みそに近い特徴を持ちます。
麹の割合がやや高く塩分控えめなので、すっきりした味わいです。
北海道の郷土料理であるてっぽう鍋や石狩鍋などに使用されます。魚介類や野菜とよく合います。
2. 津軽みそ
津軽みそは、青森県の津軽地方で作られる赤色系の辛口の米味噌です。
寒冷な気候なので長期熟成型で、麹の割合が低く塩分が高いですが、十分に塩がこなれており独特の旨みがあります。
青森県の郷土料理であるじゃっぱ汁や貝焼きみそなどに使用されます。
魚介類の臭みを消す働きがあります。
3. 仙台みそ
仙台みそは、宮城県で作られる赤色系の辛口の米味噌です。
伊達政宗が醸造の専門家を仙台に呼び寄せて造らせた「御塩噌蔵」以来の伝統を受け継ぎます。
麹の割合が高く、白色や淡色の米味噌に比べて甘みが強いです。
宮城県の郷土料理であるドンコ汁や牡蠣汁、おろし汁、松葉汁などに使用されます。汁物に最適です。
4. 秋田みそ
秋田みそは、秋田県で作られる赤褐色系の辛口の粒味噌です。
米どころ秋田ならではの良質な米と大豆をたっぷり使います。近年では、県開発の独自酵母で差別化しています。
秋田県の郷土料理である石焼き鍋やマタギ鍋、いものこ汁などに使用されます。
そして、じゃがいもや里芋などとよく合います。
5. 会津みそ
会津みそは、福島県の会津盆地で作られる赤色系の辛口の米味噌です。
寒冷な気候条件の中で育まれた長期熟成型で、大豆の割合が多く大豆の旨みをしっかり感じられます。
近年では、まろやかな中辛口なども多く生産されています。
福島県の郷土料理であるじゃがいもを使った福島の味噌かんぷらや打ち込みうどん、鯉こくなどに使用されます。魚介類や野菜とよく合います。
関東・甲信越
6. 江戸甘みそ
江戸甘みそは、東京都で作られる赤褐色系の甘口の米味噌です。
徳川幕府250年余りの間に生まれ育てられた江戸の味です。蒸した大豆を用いるので濃い色になります。
そして、米麹をたっぶり使用しているので濃厚な甘みと独特の光沢と香りがあります。
東京都の郷土料理であるみそ田楽や柳川鍋などに使用されます。味噌汁用ではなく調味料として使われることが多いです。
7. 越後みそ
越後みそは、新潟県で作られる赤色系の辛口の米味噌です。
精白した丸米を使用しているので米粒が味噌の中に浮いているように見えるのが特徴的です。
塩分が高くきりっとした辛みに特徴があります。
新潟県の郷土料理であるしょっから煮やのっぺい汁、けんさん焼き、あんこう汁などに使用されます。
そして、きゅうりなどの野菜をディップして食べるのも美味しいです。
8. 佐渡みそ
佐渡みそは、新潟県の佐渡島で作られる赤色系の辛口の米味噌です。
大豆100%で作るため発酵力が強く、濃厚でコクのある味わいです。塩分が高いので長期保存ができます。
合わせ味噌としても使いやすく、他の郷土味噌と合わせて料理を楽しむことができます。
佐渡島の郷土料理である鯨汁や鯨焼きにも使用されます 。
9. 信州みそ
信州みそは、長野県で作られる淡色系山吹色の辛口の米味噌です。
武田信玄ありきの味噌で、関東大震災や戦後の救援物資として東京の味噌需要を賄いました。やや酸味のある芳香を持ち、今では全国的に生産されています。
長野県の郷土料理である五平餅や信州雑煮、ぶっこみ、鯉こくなどに使用されます。
そして、汁物や炒め物にも最適です。
東海・北陸
10. 加賀みそ
加賀みそは、石川県で作られる赤色系の辛口の米味噌です。
前田利家公により発展しました。軍事用の貯蔵食の意味合いが強かった味噌です。
比較的塩分が高く、きりっとした辛みに特徴があります。
石川県の郷土料理である加賀野菜やかぶら寿司などに使用されます。
そして、魚介類の旨みを引き出すのに適しています。
11. 東海豆みそ(八丁味噌)
東海豆みそは、愛知県・三重県・岐阜県で作られる赤褐色系の辛口の豆味噌です。
八丁味噌や三州味噌で知られています。
濃厚な旨みと渋み、若干の苦みがあるのが特徴的です。夏場の高温多湿に耐え、長期保存できます。
愛知県・三重県・岐阜県の郷土料理である味噌カツや味噌煮込みうどんなどに使用されます。
そして、肉類や野菜とよく合います。
豆味噌(八丁味噌)についてはこちらに詳しく載っています!→https://www.aichimisotamari.or.jp/pages/50/
関西
12. 関西白みそ
関西白みそは、関西地方で作られる低塩甘口の白色の米味噌です。
白味噌といっても黄色みの強い色合いです。米麹の割合が高く、甘みが強いのが特徴的です。
そして、短期熟成型で、長期保存には向きません。
関西地方の郷土料理である大阪のどて焼きや、京都のかみなり汁、兵庫のぼたん鍋などに使用されます。
そして、甘味噌としても使われることが多いです。
中国・四国
13. 瀬戸内麦みそ
瀬戸内麦みそは、愛媛県・山口県・広島県で作られる甘口の麦味噌です。
麦麹の割合が高く、麦独特の芳ばしい香りとさらっとした甘味があります。
愛媛県・山口県・広島県の郷土料理である佐妻汁やいとこ煮、牡蠣土手鍋に使用されます。
野菜スティックにつけて食べても美味しいです。
14. 府中みそ
府中みそは、広島県で作られる白色系の甘口の米味噌です。
良質な米と脱皮した大豆を原料としています。米麹の割合は高く塩分は少なめです。
そして、広島県の郷土料理である白味噌仕立てのだんご汁に使用されます。
ごぼうやにんじん、しいたけ、里芋など具沢山で召し上がれ。
15. 御膳みそ
御膳みそは、徳島県で作られる赤色系と白色系の両方がある甘口の米味噌です。
そして、塩分は辛口味噌と同じくらいですが、米麹の割合が高く、香りや後味に甘さを感じます。
徳島県の郷土料理である阿波の味噌焼きや青唐辛子味噌などに使用されます。
そして、肉類や野菜とよく合います。
16. 讃岐みそ
讃岐みそは、香川県で作られる白色系の甘口の米味噌です。
透き通るようなクリーム色で濃厚な甘みとふっくらした味わいがあります。そして、1~2週間の短期熟成型で発酵させません。
香川県の郷土料理である味噌だれのおでんや打ち込みうどんに使用されます。
甘味噌としても使われることが多いです。
九州
17. 九州麦みそ
九州麦みそは、九州地方で作られる淡色系の麦味噌です。
麦で味噌を作るのは九州の気候と農作が関係しています。
そして、麦麹の割合が高く甘口のものが多いですが、九州北部では麦独特の香りを感じられる辛口も多いです。
九州地方の郷土料理である水炊きやちゃんぽん、皿うどんなどに使用されます。
そして、肉類や野菜とよく合います。
以上が、日本各地で作られる郷土の特色ある味噌についての紹介でした。
全国にはさまざまな味噌があり、それぞれに個性や歴史があります。
そして、ご当地味噌を使った料理も、その地域の風土や文化を反映しています。
ぜひ、お好みの味噌を見つけて、日本の伝統食品を楽しんでくださいね。
次回は、【味噌】の健康効果や保存方法についてお伝えします。
健康効果・保存方法
前章では、日本各地で作られる郷土の特色ある味噌について紹介しました。
今回は、健康効果や保存方法について紹介します。
味噌は、大豆や米や麦などの原料を発酵させて作られる伝統的な日本食です。
そして、発酵食品として、さまざまな栄養素や有用な微生物を含んでおり、健康に良いとされています。
ここでは、味噌が持つ栄養素やその効果、そして正しい保存方法について見ていきましょう。
栄養素とその効果
味噌は、主に大豆と米や麦などの穀物から作られます。
そして、大豆は植物性タンパク質や食物繊維、ビタミンB群などを豊富に含みます。
米や麦は炭水化物やビタミンB1などを含みます。
これらの原料が発酵することで、さらに多くの栄養素が生成されます。
例えば、、、
- アミノ酸:タンパク質が分解されてできる成分で、体内で合成できない必須アミノ酸も含まれます。筋肉や血液などの構成要素であり、エネルギー源にもなります。
- イソフラボン:大豆由来の植物性エストロゲンで、女性ホルモンと似た働きをします。更年期障害や骨粗しょう症などの予防や改善に効果があるとされています。
- ペプチド:アミノ酸が数個から数十個結合した分子で、血圧降下作用や抗菌作用などがあります。
- ビタミンB12:動物性食品にしか含まれないビタミンですが、味噌では発酵菌が生成します。赤血球の生成や神経系の正常化に必要です。
- 乳酸菌:発酵過程で増殖する微生物で、腸内環境の改善や免疫力の向上などに効果があります。
以上のように、味噌はさまざまな栄養素を含んでおり、健康に良い食品と言えます。
しかし、味噌には塩分も多く含まれているので、過剰摂取は控えるようにしましょう。
一日の摂取目安量は大さじ1杯程度です。
正しい保存方法
味噌は発酵食品ですが、発酵は無限に続くわけではありません。
保存状態によっては、発酵が進みすぎたり、カビや酸化が起こったりして、風味や品質が低下することがあります。
そこで、味噌を長持ちさせるためには、正しい保存方法を知っておく必要があります。
一般的に、味噌の保存方法として最も優れているのは、冷凍庫に保管することです。
そして、家庭用の冷蔵庫の温度はだいたい-18℃ですが、味噌は少し硬くなる程度で凍ることはありません。
冷凍庫で保存すれば、発酵や酸化を抑えて風味や品質を保つことができます。
開封前の味噌は常温で保存できますが、陽のあたる場所、温度や湿度の変化が少ない場所で保存しましょう。
そして、開封後は極力冷蔵庫で保管してください。
保存で大事なポイントは、、、
- 低温に保ち、空気に触れないようにする
- 水に濡らさないようにする
ことです。
そして、開封後は、表面にラップを貼るなどし、酸化や乾燥を防ぎましょう。
また、湿度の高い時期は、冷蔵庫から出すと結露します。出し入れする回数を少なくするか、なるべく早く戻すなどして対策してみてください。
また、野菜や魚など水気の多い食材を漬ける際には、薄まり過ぎないように量を調整するか、薄味の漬物であれば冷蔵して早めに食べるなどの気遣いが必要です。

まとめ
今回は、味噌について詳しく解説しました。
日本の食文化に欠かせない発酵食品であり、その歴史や種類は多彩で興味深いものです。
また、さまざまな栄養素や有用な微生物を含んでおり、健康に良い効果も期待できます。
しかし、味噌は塩分も多く含まれているので、過剰摂取は控えるようにしましょう。
また、味噌の風味や品質を保つためには、正しい保存方法を知っておく必要があります。
このブログを読んで、あなたは味噌についてどう思いましたか?
もっと知りたいことや感想があれば、コメント欄に書いてくださいね。
また、あなたの周りの人にも、日本の伝統食品である味噌の魅力を伝えてくださいね。
このブログでは他にもさまざまな食に関する記事を書いています!
わさび→https://nobuo-everyday.com/2023/07/26/wasabi/
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